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地目ってなぁに?

地目ってなぁに?

突然ですが、不動産物件情報ってどれくらい細かく見ていますか?
新聞の折込チラシなどに細かく書かれていますので、もし見る機会がありましたら見てください。
今回はその中でも『地目(ちもく)』について説明していきたいと思います。

地目って何?

 地目(ちもく)ってご存知ですか?普段の生活の中で不動産業界の人でない限り「地目」は出てこないと思います。
地目は土地を購入するときや相続の際によく耳にする言葉になります。土地の購入も相続もどちらも、土地をどのように活用するかとなりますよね?活用方法は、様々で、住宅・工場・倉庫・共同住宅など建てたい、または、農作物を耕作したい、売買で利益を得たいなどなど、さまざまだと思います。
ところが、地目を知らずに土地を購入したり相続すると、思っていた活用方法が叶えられないなんてこともあるのです。

地目とは

 地目とは、土地の用途のことで不動産登記法により登記事項証明書に記載されている情報です。
登記されている情報は登記した時の土地の用途ですので、現況と違っている場合があるので注意してください。
地目と現況が違う場合(例えば 登記:原野/現況:宅地)といったように記載されます。
地目は現在23種類に分類されています(下記参照)。

地目 概要 地目コード
農耕地で用水を利用して耕作する土地 40
農耕地で用水を利用しないで耕作する土地 50
宅地 建物の敷地及びその維持若しくは効用を果たすために必要な土地 10
学校用地 校舎、附属施設の敷地及び運動場 31
鉄道用地 鉄道の駅舎、附属施設及び路線の敷地 36
塩田 海水を引き入れて塩を採取する土地 89
鉱泉地 鉱泉(温泉を含む)の湧出口及びその維持に必要な土地 88
池沼 かんがい用水でない水の貯留地 87
山林 耕作の方法によらないで竹木の生育する土地 71
牧場 家畜を放牧する土地 60
原野 耕作の方法によらないで雑草、かん木類の生育する土地 73
墓地 人の遺体又は遺骨を埋葬する土地。墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年5月31日法律第48号) 34
境内地 境内に属する土地であって、宗教法人法(昭和26年法律第126号)第3条第2号及び第3号に掲げる土地(宗教法人の所有に属しないものを含む) 33
運河用地 運河法(大正2年法律第16号)第12条第1項第1号又は第2号に掲げる土地 83
水道用地 専ら給水の目的で敷設する水道の水源地、貯水池、ろ水場又は水道線路に要する土地 82
用悪水路 かんがい用又は悪水はいせつ用の水路 84
ため池 耕地かんがい用の用水貯留地 86
防水のために築造した堤防 81
井溝 田畝又は村落の間にある通水路 85
保安林 森林法(昭和26年法律第249号)に基づき農林水産大臣が保安林として指定した土地 72
公衆用道路 一般交通の用に供する道路(道路法(昭和27年法律第180号)による道路であるかどうかを問わない) 35
公園 公衆の遊楽のために供する土地 32
雑種地 以上のいずれにも該当しない土地 90

農地法に気をつけろ!

上記の中で実は「田」や「畑」などの農地には特に注意しなければなりません。
なぜ農地は気をつけなければならないのでしょうか。その理由は2つ挙げられます。

・地目が農地だと家を建てられない
農地転用の許可を得ずに工事をした場合どうなってしまうのか。それは「農地法」の定めにより、工事の中止はもちろんのこと、最悪のケースは工事を途中まで行ってしまったとしても、農地への原状回復命令(つまり解体)を受けることもあります。その上、罰則も大変厳しくなっており、刑事罰として「3年以下の懲役」または「300万円以下の罰金」(法人は1億円以下の罰金)となっています。また、農地のままだと住宅ローンの融資も組むことはできません。

・費用と時間がかかる
農地を宅地にする際、まずは地域の所管する農業委員会へ農地転用の申請が必要となります。
ご自身で申請を行いたいと思いますが、申請には専門的な知識を求められるため、行政書士や土地家屋調査士へ代行を依頼することが一番です。
他には書類作成・図面作成等費用、地目変更登記などのほか、地域によっては、測量・分筆・開発許可など更に時間と費用がかかるケースがあるので、それらの時間と費用にも余裕を持った事前計画が重要になります。いずれにしても、全て各都道府県行政機関に確認が必要で、申請期間も異なりますので注意してください。

農地転用許可後は…

無事に農地転用許可が降りた後は、地目変更を行いますが、どのタイミングを行わなければならないかといいますと、不動産登記法では地目に変更が生じた日(家を建てる際は、造成工事が完了して現況地目が「宅地」に変わった時点)から1カ月以内に申請を行うことが定められています。
ちょっと待って!それでは地目に変更が生じた日とはいつになるの?

A:農地転用許可日
B:造成工事完了日
C:確認申請許可日
D:基礎工事完了日
E:竣工日

地目は原則、現況主義ですので建物が建つことになります。ただし建物がなくても下記の場合は地目変更できるとしています。

1:建物の基礎工事以上が完成している
2:建築基準法の確認済である
3:都市計画法の開発許可を受けている(造成地で整然と宅地区画があるなども可)
※実際の取扱いについては地域の所管する法務局への相談が必要になります。

実際は、新築が完了し建物表題登記と同時に地目変更を行うケースが一般的となっています。
ただし、住宅ローンによっては事前に宅地へ地目変更しないと融資金が実行できない場合もありますので事前に金融機関に確認してください。

実は建替工事も注意しないとダメ

 古くなってきたお家を壊して新しく建て替えようと思っていると思わぬ落とし穴が…。家が建っているから宅地になっている!その思い込みはちょっと危険です。というのも、いざ融資のために土地を調べてみたら土地が細かく区分されていて建築地の一部に「農地」が残っていたなんてこともあります。もし、調べた際に「農地」となっていたら、上記の通り、農地転用の申請をするか、または農業委員会に非農地証明を受けて地目変更をする必要がでてきてしまい、予想外の時間と費用がかかったなんて場合もあります。建替えしようかなと思っていましたら、まずはご自身の地目を確認してください。

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