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省エネ住宅の外断熱工法とは

省エネ住宅の外断熱工法とは

最近、地球温暖化等の問題により菅首相が温室効果ガス排出量を2050年にゼロに
する目標を宣言しました。それに関して今の私たちに何ができるのか?を少し考えて見ました。
今の生活をそれなりに維持し、普段の生活から国民一人一人が少しでも、温室効果ガス排出量を減らせれば、かなりの量を減らす事が出来ると思います。
そこで、普段住んでいる住宅その物が、省エネ効果が期待出来る住宅にすれば、自然と減らす事が出来るではと思いませんか。今回ご紹介するのはそんな外断熱住宅(断熱外張り住宅)です。

外断熱工法とは

日本の鉄筋コンクリート造の建物は、躯体の内側に断熱層を設ける内断熱工法が主流です。
その断熱層を躯体の外側に設けるのが外断熱工法になります。
木造の場合は、「外張り工法」と呼ぶそうです。
外断熱工法は、欧米で特にドイツでは着実に普及してきており、高性能な省エネ住宅として注目されております。

外断熱工法が省エネなワケ

日本では、北海道では木造の外張り工法が一部普及されておりますが鉄筋コンクリート造の外断熱工法はほとんど存在しません。

それでは、なぜ外断熱が省エネなのか?・・・

それは、高い断熱性能で夏涼しく、冬は暖かく過ごせる魔法瓶のような住宅だからです。コンクリートは熱伝導率が高く、熱を伝えやすいので外の気温が高ければ、コンクリートを伝わり自然と室内温度は高くなります。
つまりその逆で、外の気温が低ければ、室内温度は低くなります。この環境を軽減するのが、外断熱です。コンクリートを直に外気に触れず、断熱材で覆う事で、室内の温度を保ちます。住宅には、窓やガラスなどコンクリートではない部分も存在しますが、これらは、一般的に使用されてるアルミ製サッシなど使用せず、熱伝導率が低い樹脂製のサッシを使用し、ガラスにおいては通常のガラス1枚ではなく、複層ペアガラスを使用することで解決します。
このように、住宅全体を断熱し、室内環境を維持出来れば、外気温度に左右されず、一定の温度調整で生活できるのです。要するに、外気温度が35度以上になってもエアコンの温度を26度や25度に下げなくても、28度を維持する能力が高い住宅なので、エアコンの稼働を大幅に軽減する事が出来ます。
そして、大きな効果や実感できるのは、夏場より冬場になります。外断熱住宅は、内側に断熱層がありませんのでコンクリートを温めると、部屋全体が温まることになります。この特性を生かすと、冬場の暖房器具は床暖房やオイルヒーター等で十分に部屋全体が温まります。エアコンを使用せずに冬場を乗り切れます。冬場のエアコンは、空気も乾燥し体にもあまりよくありません。床暖房等の暖房器具で輻射熱(ふくしゃねつ)を利用する事が出来る住宅なのです。
ですが、懸念事項が一つあります。それは、換気です。
最近の分譲マンションには、24時間換気システムがほぼ備えてありますが、こちらの機能は、24時間換気扇を回し、外気の空気を部屋の吸気口から取り入れて、部屋の空気を換気扇から吸って外に吐き出すシステムです。この機能で部屋全体の空気を循環させて、24時間ずっと換気している状態を作り出します。そこで、この機能を使用すると折角、温めた部屋の空気が、外に出て冷たい外気が部屋の中に入ってきてしまいます。こういった事から
24時間換気システムを使用していない方も多くいると思います。
しかしながら、最近はこのコロナ渦で換気もすごく重要な要素になっております。でも、窓を開けて換気すると寒いし、折角温めた空気が外に全部出てしまうと思います。
そこで、折角外断熱住宅にお住まいになるなら、熱交換型換気システムをぜひご採用してみてください。このシステムは、簡単に言うと外気と部屋の空気を熱交換する為、お部屋の温度が上下しにくい換気システムになります。詳しくは、熱交換換気システムで検索してみてください。

それでも普及しない外断熱工法

ここまで、外断熱住宅の説明してきましたが、ではなぜ日本では普及しないのか?それは
やはり、コスト面だと思います。外断熱にお金をかけるなら部屋の住宅設備にお金をかけたほうが日本では住宅が売れるからです。
ですが、冒頭でもお話しましたが日本も温室効果ガス排出量ゼロを目標に動き出しました。私たちに出来ること・・・それは、日々の生活の中でいかに省エネを心掛け、生活して行くことまた、住宅の作り手としてはやはり省エネ住宅を作ってみたいと思っております。そして、省エネ住宅が、車の世界ではハイブリット車のような存在になる住宅になれば、温室効果ガス排出量ゼロの目標に一歩近づけると思っております。

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