スレート屋根・スレート外壁
ひと昔の工場、倉庫の屋根や外壁には、大波スレートや小波スレートのような波型スレート材を使っていることが多いかと思います。そのスレート材の中にはアスベスト材(石綿)が含まれています。
うちの工場もアスベストが入っているかもしれない。塗り替えもしたいけど外壁も劣化してきていて…それでもなんとかしたいけど工場を止めることができない…。そんなお悩みを持っている方!諦めないでください。当社が得意としている改修方法にガバー工法というものがあります。今回はカバー工法についてご説明していきたいと思います。
INDEX
アスベストとは
アスベスト材は、頑丈で、燃えにくく、昭和の終わり頃までよく使用されていましたが、
アスベストの繊維状の先端が鋭利で臓物に突き刺さり、体内に残ることによって癌等の疾病を起こしたりし、健康被害の事例が出てきたこともあり、現在では使用禁止となっています。このことは、メディアでも多く取り上げられている為、みなさんもご存知かと思います。
さてそんなアスベストですが、6種類の繊維状の天然鉱物であり、優れた特性をもっていて、当時は「夢の鉱物」と言われたこともありました。引張り強さ・耐摩耗性・耐薬品性・耐熱性・断熱性・吸音性等があり、その特徴を生かし製品化されました。(現在では禁止され代替え商品が出荷されています)
下記はそんな様々な建材として使用されていたアスベストの一例となっております。
アスベストの主な商品
種類・形状 | 施工状況・使用箇所など |
---|---|
耐火被覆材(火災対応) | 耐火構造用に鉄骨に綿状で吹付けたりする 白い板状(例・厚25mm)に加工したもので鉄骨を覆う |
波型スレート | 倉庫・工場の屋根・壁に多く用いられる |
コロニアル | 屋根材:工場塗装 |
サイディング | 外壁材(例・厚12mm)工場・現場塗装 成型・フラットの商品あり |
板状(セメント系:グレー色・珪酸カルシュウム系:白色) 厚3mm~12mm |
現場塗装が多いが室内用には工場塗装の物もある 軒・駐車場・トイレ・厨房の天井:耐熱・防水目的 バルコニーの隣地との隔て板に多く用いられる 工場塗装品はトイレブース・トイレ壁に用いられる。化粧・耐水目的 |
成型セメント板 現場塗装 耐火間仕切り・防火外壁材 厚さ60mm |
工場・倉庫等の外壁・間仕切り |
岩綿吸音板 スラグ(鉱物のカス)を繊維状にし、アスベストと混ぜて成型 | 天井材 厚9~19 フラット・化粧目的で表面を成型したものがある。 住宅・事務所・学校等 吸音・耐火・断熱目的 |
石膏ボード 石膏を紙で巻いたもの | 厚7mm・9mm・12mm・15mm等 クロスの下地・化粧石膏ボード(虫食い模様) 使った建物がないくらい広く利用 耐火性を高める目的でアスベスト紙を用いている 厚7mm・9mm・12mm |
繊維壁・天井吹付け材 | 吸湿・吸音・温かみを持った仕上げ 住宅に利用 |
床塩ビタイル | 店舗・学校等広く用いている |
その他 | 接着剤(木レンガ用等)塗料(リシン等)煙突 煙突内部の筒状の断熱材 石綿金網:理科実験用等 |
<危険性> | |
製造時・建築現場施工時に空気中に飛散 本体の劣化・破壊(解体等)による空気中に飛散 癌等の疾病の原因となる。 |
稼働を止めずに課題解決!
上記の通り、様々な箇所でアスベストは使用されていました。そんな中、近年台風や異常気象により、工場、倉庫も例外ではなく、突風によるスレート屋根・壁の破損も多くみられました。それにより、破損した際にスレートで使用されていたアスベストの粉が飛散したりと、雨漏り被害以外の問題も発生してしまいます。
このような事態にならない為にも、金属系屋根材、外壁材に貼り替えできればいいのですが、工場、倉庫を稼働させながら貼替するのは難しいでしょう。
そこでその代替え策として、今の屋根・外壁の上にもう一枚貼る工法(カバー工法)というものがあります。この工法は、今の屋根、壁を剥がさずに工事が行えるので、稼働させながら工事が可能です。
カバー工法は大きく4つのメリットがあります。
1つ目は施工費が安く済みます。安いと言っても外壁や屋根を全て貼り替える施工費と比べて安価になります。簡単にいうと、古い屋根材や外壁材の撤去するための工賃及び処分費がなくなるからです。よって全体的にかかる費用が抑えられるということになります。
2つ目は工期が短くなります。1つ目に書いた通り、撤去する分の日数がかからないためです。現在の屋根や壁を利用して作業をするため、工期が短くなります。
3つ目は上記に書いてあるアスベスト問題です。アスベストが含まれた材料を撤去する際、飛散対策を行ったりしなければなりませんが、カバー工法ですと壊して飛散させることなく処理ができます。
最後の4つ目は、断熱性・遮音性・防水性が向上することです。もうおわかりの通り、既存の構造に対して二重構造となりますので、断熱性・遮音性・防水性が向上します。もちろん、グラスウール等の断熱材・吸音材を入れればもっとその性能は向上します。
もし御興味があれば、一度検討してみてはいかがですか。